風邪をいかにして治すべきか

またあいつの季節がやってくる

毎年、さまざまなムーブメントが起こっては消えていきますが、廃れを知らない最強の流行りものといえば「風邪」です。寒くなると必ず流行るこの厄介な病気は、人類史上最長のロングヒットかもしれません。

風邪をひくと、ひとは市販の風邪薬を飲んだり、病院で注射を打ってもらったり、自分なりの快癒法を実践したりします。

その種類は実に豊富で、驚くべき多様性を持っていますが、どれもこれも必ずしも有効性があるとは言えません。「特効薬はない」とさえ言われる風邪。この厄介な病にわたしたちはいかに立ち向かうべきか。今回はその答えを探ってみたいと思います。

風邪のメカニズム

答えを探る前に、まずは「風邪をひく」とはどういうことか、そして、「風邪が治る」とはどういうことかを科学的な視点からみてましょう。

風邪はそもそも風邪のウィルスが体内に侵入することからはじまります。ウィルスは細胞内に侵入してレセプター(受容体)を持っている細胞にくっつき、細胞を乗っ取って自己の複製をはじめます。

ウィルスが増殖しはじめると、「こりゃまずいな」と細胞は思います。そうすると細胞は「インターフェロン」という、ウィルスの増殖を阻害する物質をつくりだすのですが、同時にこの物質は風邪の初期症状である「喉のイガイガ」を引き起こします。インターフェロンに喉の粘膜は反応しているわけです。

「こりゃまずい」と思っているのは感染した細胞だけではありません。ウィルス侵入の一報を聞きつけて、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)やマクロファージという細胞が現場に駆けつけます。NK細胞はウィルスに感染した細胞を殺して排除しようとし、マクロファージは食べて排除しようとします。でもまだそんなことじゃあ風邪は治りません。

そこでマクロファージはさらなる攻撃を繰り出します。「インターロイキン1」という物質を放出するのです。インターロイキン1にはいろいろな作用がありますが、脳へも作用します。視床下部に働いて、発熱中枢を刺激するのです。「発熱なんて余計なことすんなよ」と思うかもしれませんが、風邪のウィルスは低温を好むので、マクロファージは発熱を促すことでウィルスの増殖を妨げようとしているのです。

また、インターロイキン1はT細胞にも働きかけます。T細胞は、まあ簡単にいえば、免疫界の司令官みたいなものです。このT細胞が軍隊を整えるのにだいたい2、3日はかかります。

増えたT細胞は、異変を察知して、喉とか鼻に駆けつけます。そしてインターロイキンとかサイトカインとか呼ばれるものをどんどん作り出していきます。

サイトカインはキラーT細胞を作用して、彼らの士気を高めます。キラーT細胞は超攻撃的部隊です。ウィルスに感染した細胞を次々と殺していきます。

一方、インターロイキンはB細胞に作用します。このB細胞がIgMという、ウィルスを中和する抗体を合成しはじめます。

この抗体が効果を発揮して、ウィルス追い出し作戦が完了します。そしてようやく体は正常な状態へと戻っていくわけです。ここに至るまでにおよそ1週間かかります。

以上が風邪の発症から快癒までのプロセス…らしいです。

で、結局、風邪にいかに立ち向かったらいいのか

上記の説明がわからない、読む気すらしない、と思った方、それは正しい反応です。

「たかが風邪ごとき」でもこんなに難解なことが体内で起こっているのです。体の複雑さと繊細さは人間の理解の範疇を超えています。説明らしきものを試みたわたし自身もわかったようなわからないような。風邪をひいたときに体内でそんなことが起こっているという実感なんて微塵もわいてきません(笑)

で、結局、風邪に対していかに立ち向かうべきか。風邪をひき、そして治っていくメカニズムが理解しがたい以上、最も理解しているお方に任せるのが得策というものです。

体のことを最も理解している方。

それは医者でもなく薬局でもなく、みなさんの体自身です。

だから風邪をひいたらまずは体の声を聞きましょう。そして、体が求めていることだけをし、余計な手出しはしないほうがいい。

だるければ寝てればいいし、食欲がなければ食わなければいい。そうすれば体が複雑なプロセスを経て、必要なことをすべてやってくれるはずです。下手な手出しは体がみずから回復へ向かおうとするの邪魔しているのと同じことです。

つまり風邪に対する最良の対処法は、「体の声を聞くこと」、そして「体に委ねて寝てしまうこと」。

どうやらこれに尽きる、というのがわたしなりの結論です。

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POYACO
岩手県宮古市の「ヨガサロンぽやにか」で広報を担当。当サイトの管理者でもある。ヨガサロンぽやにか公式サイトはこちら