ナッツの定番、アーモンド!
アーモンドはバラ科モモ属の落葉高木の種子で、和名は「ヘントウ(扁桃)」、江戸時代には「あめどう」と呼ばれていました。この、あめんどう、という響きがわたしは個人的にとても好きです。
原産地はアジア西南部ですが、現在ではイタリア、スペイン、アメリカでも栽培が行われ、カリフォルニア州が最大の産地となっています。
大別すると、白い花を咲かせるスイート種とピンク色の花を咲かせるビター種に分かれます。食用とされるのはスイート種の方です。
ビタミンEで老化に歯止めを!
アーモンドの最大の魅力は何といっても、群を抜いて多い「ビタミンE」です。
人間は呼吸によって酸素を取り入れ、栄養分を燃焼させてエネルギーを得ていますが、その代償として人間の細胞は酸素に触れて酸化していきます。
鉄が錆びるのもリンゴの切り口が茶色く変色するのもこの酸化の仕業で、人間の体もあんなふうにみずみずしさや輝きを次第に失っていきます。
まあ別の言葉で表現すれば「老化」ですね。全身が酸素で蝕まれていくのです。かといって呼吸をやめるわけにもいきませんから、こればかりはどうにも避けようがありません。悲しき現実です。
が、ここで皆さんの味方になってくれるのが、アーモンドにたくさん含まれているビタミンEなのです。ビタミンEには強力な抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ働きがあります。
細胞の若さが保たれる、ということはつまり、加齢からくるあらゆる悩みに効果がある、ということです。シミ、シワ、くすみ、さらにはガンや動脈硬化の予防にもつながります。
サプリ飲むよりアーモンド!
残念なことにこのビタミンE、体内で合成することはできません。
もちろん、サプリメントで補うというのも手ですが、サプリメントに含まれるビタミンEには「天然」と「合成」の2種類があります。
どちらがいいかといえば、吸収率の面でも効果の面でも天然のほうがいいわけですが、「どちらにしようかな」と薬剤師さんに相談をするよりは黙ってアーモンド買って食ったほうが断然早いです。
というのも、ビタミンEは「脂溶性ビタミン」、つまり水に溶けにくく油に溶けやすい性質を持ったビタミンなので、油分なしでは吸収率がよくありません。
好都合なことに、アーモンドには良質の脂質が豊富に含まれていますので、摂取する油の質にまで気を配る必要もないのです。
天然のマルチサプリとしか言いようがない!
一石二鳥。と言いたいところですが、ラッキーはここで終わらない。アーモンドにはビタミンB2群にマグネシウム、カルシウム、さらには食物繊維まで豊富に含まれているのです。加えて種皮にポリフェノールが含まれているのも嬉しい。
それに「サプリコレクター」になって錠剤を飲みまくるよりは、アーモンドの粒をかじるほうがはるかにスタイリッシュだと思います。
それになにより、コスパですよコスパ。もやしみたいに安い食材でもないですけど、これだけの成分が含まれているのなら安いもんです。
1日のビタミンE摂取量の目安が男性7mg、女性6.5mgという説を信じるとすれば、アーモンド20〜23粒程度で必要量を摂取することができます。アーモンド1粒6kcal程度ですから、この量をカロリーで換算するとおよそ120〜138kcal。おやつの代わりとして食べるなら許容範囲だと思います。
生のアーモンドのほうが栄養価が高いという話もありますが、ローストのものでもじゅうぶんな栄養を摂取できるので、わざわざ手に入りにくい生アーモンドを買う必要はないと思います。

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