ヨガで痩せることはできるか

「ヨガで痩せる」などと安易に考えてはいけない

最初にはっきり言っときますが、ヨガには直接的な「痩せ効果」はありません。

「シェイプアップ」や「痩せやすい体づくり」には効果がありますが、ヨガをやってみるみる体重が落ちていく、なんてことはまずありえません。

とはいえ、それは何もヨガに限ったことではありません。運動全般にも言えることです。想像を絶するトレーニングでもしていない限り、運動では痩せないのです。

じゃあ体重を落とそうと思ったらどうしたらいいのか。

基本的には食事制限をする以外にありません。

日々激しい練習をしているスポーツ選手ですら試合前には食事制限をして減量しているのですから、運動だけでは痩せられないことは火を見るより明らかです。

じゃあヨガはダイエットにはまったく無意味なのかというと、決してそんなことはありません。

ヨガをやることで食事だけでなく、生き方全般についての意識が変わります。

ヨガは単なるエクササイズではなく、「イン」と「アウト」のバランスを重視する哲学でもあるからです。

大事なのはバランス(当たり前のことだけど)

お金にたとえて話をしましょう。

貧乏が生死に直結するのは明らかですよね。わかりやすいのでこれ以上の講釈はいたしません。

一方で、使い道がないのにお金がどんどん入ってくるおっさんがいたとします。出費がないわけですから、おっさんの資産はみるみる増えていきますよね。

これ、一見、幸福に見えるかもしれません。

でも想像してみてください。路上にたたずむ全裸のおっさんの前にみるみる札束が積まれていく光景を。

むき出しのお金の前には悪者たちが群がるでしょうし、普段は善良な人にすら欲望が芽生えるかもしれません。

お金をとられまいとすれば、塀を作らなければならない。守衛を雇わなければならない。でもその塀は完全に盗人を防げるとは限らないし、守衛も信用できるとは限らない。

ようするに、お金にまつわる悩みがたえずついてまわるようになるわけです。

すべて手放してしまえば楽にはなるかもしれません。でも、そしたら今度は貧乏の危機が待ってる。

となれば、幸福のカギは収入ではなく収支のバランスにある、ということになってくるわけです。

飢餓はいかんが、飽食もダメ!

これと同じことが食事にもいえます。

空腹になったら「ぐう」とお腹が鳴りますよね。これ、天然のアラートなんです。「おなかがからっぽですよ」という合図が自然と送られてくるようにできてる。

一方で、飽食の危機はわかりにくい。

「飽食の時代」なんて言われるようになったのはつい最近の話であって、飽食の危機という概念は体にはない。だから食べ過ぎの生活をしていても、体はアラートを鳴らさない。結果として、生活習慣病と呼ばれる静かなる病に蝕まれていくわけです。

ましてや現代の栄養学は「アウト」よりも「イン」を重視しがちです。摂取カロリー1日◯◯kcalだの、1日30品目だの、やたらと食べさせたがる傾向にある。

そんな生活を続けていくと、飯にまつわる悩みがたえずついてまわるようになるわけです。供給し続けなくちゃ落ち着かず、いつも食べ物のことを考えてしまうようになる。本当の空腹が訪れたわけでもないのにピーヒャラピーヒャラとアラートが鳴るようになるんですね。

結果、過食が習慣となって、ぷくぷくと太ってしまうわけです。

「イン」よりも「アウト」に注意を向けよ

「少なくなるとアラートが鳴る、でも多すぎるときは鳴らない」という体のシステムをヨガはよく理解しています。そしてヨガは体の鳴らすアラートに絶大な信頼を寄せているんです。

「足りない」は体が感知できるから体の声に従え。
「多すぎ」は体には感知されにくいから自覚して注意せよ。

だからヨガの哲学では「イン」よりも「アウト」に注意を向けるよう促します。

呼吸でいえば「吸う」よりも「吐く」。
消化でいえば「食う」よりも「出す」。

そして体の発するアラートに従って摂取せよ、と教えます。不必要に食うのは避けよ、と。

この哲学にきちんと従っていれば、日常的に食事を制限することになり、過食が原因で太るということはありえないはずです。つい食べ過ぎたとしてもうまく調整できるようになる。

というわけで、回りくどい説明をいたしましたが、広義に解釈すればヨガで痩せることは可能です。

動くだけじゃダメ。食べ過ぎは厳禁。

たったそれだけのことなのですが、実践できている人はあまりいません。

dish diet photo Photo by Alan Cleaver

Eye-catching Photo by inspiredimages(Pixabay)

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POYACO
岩手県宮古市の「ヨガサロンぽやにか」で広報を担当。当サイトの管理者でもある。ヨガサロンぽやにか公式サイトはこちら